2.「輸送の安全確保」各社の取り組み

自動車輸送事業者の皆様にとって重要な使命と責任は輸送の安全―交通事故の低減―ではないでしょうか。

各社が関係法令及び安全管理規程に定められた事項を遵守し、運輸安全施策を計画、実行されています。安全への投資としてドライブレコーダーの普及率も上がっています。ただドライブレコーダーは事故の際には有効な装置ではありますが、事故を未然に防ぐという意味では十分ではありません。

そこで、衝突防止補助システム、モービルアイの導入により大きな投資効果のあったヨシダ交通株式会社様の事例をご紹介したいと思います。

モービルアイ導入後、実際に運転手の意識がどのように変化し、事故削減にどれだけ効果があったのか、実体験から伝わるインタビュー内容となっています。

□ヨシダ交通株式会社 常務取締役 堀田景友様

◆導入のきっかけは?

―約2年前に物損事故、人身事故が多くなり、こういった安全装置を導入して従業員の交通安全意識を高めようと思いました。

◆導入にあたり不安は?

―運転手は高齢の方が多く、長年我流の運転でやってきたので、モービルアイの警報に対してどう反応するのか不安はありましたが、意外とみなさんがすんなりと受け入れてくれました。

◆乗客の反応は?

―導入当初は警報音に対して反応がありましたが、一年半経ち、地元の方々にもヨシダ交通にはこういった安全装置が付いていると認知されてきたので、今では特に言われなくなりました。

◆モービルアイの効果は?

―運行管理者も大変驚いているのですが、対物事故、対人事故がほとんどなくなりました。

◆車間警報については?

―いままでの車間距離より幾分広めに距離をとるようになったと思います。

◆コストについて

―ランニングコストは安いものではありませんが、これだけ事故が減ってきたということは、当然事故に対する補償も減ってきているわけですし、車両の修理費

も減ってきているのでトータルでは良かったと思います。

◆ドライブレコーダーとの違い、学習効果・運転評価について

―ドライブレコーダーは事故をした時には有効ですが、普段の運転のチェックはできないと思っています。今回、モービルアイを導入してリアルタイムで運転手の悪いところが警報として現れてくる。そこで運転手は自分の運転の悪い点に気が付く。社内に運行管理者が8名いるのですが、全員が同じ意見で指導することができなかったのですが、装置を導入したことで数字が見えるので客観的に指導することが可能になりました。モービルアイ導入前は、私たち運行管理者がこの人はこういう運転をするだろうという先入観があったのですがモービルアイ導入後に初めて違いを発見することができました。

また1ヶ月に1回安全運転を数値化した通知書をフィードバックしているのですが、そのなかで点数がどうだったのか、車間距離がつめ過ぎではないか等指導しています。

◆改めて感想を

―いままで何人も事故を起こしてしまった運転手を見てきましたが、精神的に参ってしまって仕事にならないとか、長期で休んでしまう方がいました。モービルアイを導入して運転手の方が安心して仕事ができ、無事故につながってくれればいいと思っています。