1. 運行管理者の重要性

運行管理者には、法令に定められた運行の安全確保に関する業務を事業者に代わって行い、交通事故を防止していく使命と責任が課せられています。その業務は多岐にわたります。

車両管理、スケジュール管理、輸配送ルートの管理、安全管理、労務管理などです。ただ実際にハンドルを握って自動車を運行するのは運転者ですから、日頃から運転者の声に耳を傾け、積極的にコミュニケーションを図り、必要な場合には事業者にその声を伝え、健全な職場環境を築いていくことも運行管理者の重要な役割です。

今回は、安全管理という視点から、これまでに多くの自動車運送事業者様に導入していただいている後付けの衝突防止補助システム、モービルアイを導入し、安全管理にどのような変化があったのか、きっかけや効果についてのインタビューをご紹介いたします。

□東神観光バス株式会社 車両課長/運行管理者 久保弘美様

◆導入のきっかけは?

―安全に対する規制が業界内で厳しくなり、以前から使っていたデジタコ等に加え、モービルアイを採用しました。

◆導入にあたり不安は?

―データがなく、導入後の効果が分からない状態での採用だったこと。また、運転手から警報音に対する心配の声もありましたが、それは警報音が鳴らないように運転を正すことが重要だと指導しました。

◆モービルアイの効果は?

―今までは対物事故の件数が年間10件近くあったものがゼロに近くなったことは効果がでていると思います。今後もどんどん導入していきたいです。

◆運転手の変化は?

―運転手の安全意識やモチベーションが上がったと思います。警報音が鳴るということで、運転手の運転意識が変わってきているのは確かです。

◆車間警報については?

―車間距離があることで対応する時間ができます。たとえ事故に直結しないことでも、危険を回避することができます。

◆自動ブレーキとの考え方は?

―新しい車両には自動ブレーキも付いており、モービルアイとの二重のセキュリティで助かっています。自動ブレーキがあれば万全というわけではなく、最終的には運転手の動作なくして車は制御できないと考えています。自動ブレーキの前にモービルアイの警報が鳴り、運転手が制御することが可能になっています。

◆ドライブレコーダーとの違いは?

―ドライブレコーダーは運転者に対する動向を把握するためで、事故を減らすという目的ではないので分けて使っています。

◆データ連携や運転者評価については?

―装置を付けて終わりではなく、そのデータを運転手、乗務員に見せることによって意識を変えることに役立っています。車間距離、車線逸脱、停止時の車間のデータから、運転手の癖などがわかります。これで運転手への安全指導が楽になりました。

◆改めて感想を

―事故を起こすことは当事者のみではなく会社にも傷をつけてしまいます。

お客様相手の仕事ですから、お客様の足が遠のいてしまうと仕事になりません。私たちは、“安心”も売って仕事をしています。事故が減少したということは会社へのプラス効果があり、モービルアイを導入したことは大変良かったと実感しています。